介護施設のショートステイで働いていると色々な利用者さんを見ることになるのですが、その中には記憶の中にしかいない人と会話してるような人もいます。
具体的にはすでに亡くなっている旦那さんが、まだ生きていると思っており、『ついさっき、こういう会話をした』ということを言ってくるわけです。おそらく記憶の更新がされていないんでしょうね。
その他にも、空想上の友達、いわゆるイマジナリーフレンドといつも会話しているような人もいます。その人は自分の横や後ろにいる(という設定?の)空想上の友達に、『お前も早く座れ』とか言ったりしています。
現状が認識できていないという意味では、認知症の症状なんでしょうけど、ある意味幸せなことですね。ちょっとそういうのが羨ましいときもあります。
しかし記憶の中にしかいない人というのは、実はありふれた存在ですよね。ある人が理解しているAさんは、実際にはそのある人の頭の記憶の中にしか存在していなくて、本当のAさんとはズレているわけですから。
うーん、分かるかな? つまり人は他人のことを本当には完全には理解できていなくて、例えば不完全に30%しか理解できていないとしたら、ある人が考える他人は、記憶の中にしかいない30%の人というわけ。
まあとにかく、人は自分の記憶の中にしか存在しない世界や人と、記憶の中で会話しているだけという、面白くも恐ろしい状況で生きているわけです。なかなか興味深いですよね。
しかし、話を戻して、記憶の中にしかいない想像上の友達にもご飯をだしてやってくれ、という要求にはどう答えたものでしょうね?
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