認知症が激しい利用者さんが居て、ずっと騒ぎ続けていたり、引っ掻いたり噛みついたりするので困っている。どうにかして落ち着いてくれないかな? と思っていたら、「鉛筆を下さい」というので紙と鉛筆を与えてみた。
すると一枚目の紙には、アルファベットを書いていた。特に単語になっているわけではなく、ABC……、というように単なる羅列でした。
しかし二枚目の紙には何やら詩のようなものが書かれていたのですが、完全に詩になっているわけではなく、詩から徐々に「トイレお願いします」という言葉の繰り返しになっていた。
その利用者さんは一回トイレに入っても5分も経たないうちにまたトイレと言う人なのですが、ちょっとずつでも排尿があるならトイレに連れて行くのですが、尿取りパッドにも出ていないし、排尿も無いわけで、単に認知症がひどくてトイレに行きたい気持ちだけがあるようなのです。
まあ、それはそれとして、書かれた詩のようなものから「トイレお願いします」という言葉を抜いて読んでみると、それは不完全ながらも太田裕美の木綿のハンカチーフという歌の歌詞でした。
まあ、冒頭だけでしたけど。
といういうわけでその場でスマホにて検索し歌詞を出し、それを紙にサインペンで書き写しました。それを一緒に見ながら歌ったら、その利用者さんも少しはおとなしくなったというわけです。
なんで木綿のハンカチーフなのかは分かりませんが、認知症の方も、その人なりにこだわりの歌というか、そういうものがあるのでしょうね。
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