どこかでもう書いたかもしれないけど改めて。
介護施設のショートステイで働いていると、いわゆるロング滞在者の中には、時々、というかけっこうな頻度で家に帰りたがる利用者が居ます。本人たちの気持ちを考えたら帰してやりたいとは思うのですが、そういうわけにもいきません。
そもそも論として、介護というのは誰の為に有るのかということが有ります。介護を受ける本人の為にあるという理解もあるでしょう。しかし介護をする家族の為にあるという理解もあります。
私自身の個人的な考えとしては、介護をする家族の為にあるという意味のほうが大きいと思っています。
本人が何を出来るかということから介護度を認定するという制度というか、区分がありますが、本人が歩けない状態であったとしても家族が何も介護をしないから、しょうがなく本人が家の中を這って移動しているとしましょう。この場合、自分だけで家の中を移動出来ているので自立とみなされます。
洗濯が出来なくても布団が上げてなくてもそれで本人が暮らしているなら自立です。食べこぼしばかりしていても、自分だけで食べることが出来ていたら自立です。まあ極端な意見ですけど。
何とか歩けるけど、家族が移動を手伝って介助をしていたり、状況に応じて車いすを使って介助していたりすると、本人だけでは歩いて移動できていませんので、自立していないとみなされます。と、以前に居た施設のケアマネージャーにそう聞きました。
つまり家族が手をかければかけるほど介護度は上がり、手をかけていなければいないほど介護度は下がるという仕組みです。
で、あるならば介護保険は介護をする側である家族の負担を減らす為のものではないかと思うのです。家族の介護負担を減らし、家族が介護に手をかける部分を減らして余力を使って社会の為に働けるようにする。それが介護保険の本当の目的なのではと思ってしまいます。
つまり、介護は利用者本人の為にあるのではなくて、その利用者の介護をしなければならない家族の為にあるのです。と、思います。
で、あるならばショートステイの利用者さんがいくら自宅に帰りたくても、介護施設や職員はその家族の意向を汲んで施設に留めないといけないわけですね。
利用者本人の希望をかなえてあげられないのはなんとなく嫌な感じもしますが、しょうがないですね。日本の世帯が核家族になってしまって介護をする人員の余裕がなくなっていますし、ちょと現状ではむりですね。
ちょっと今日、帰りたがる利用者さんに付き合って色々と話していましたから、今日のような内容になりました。
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