介護施設の利用者さんの中で、やっぱりいちばん手がかかるというかどうにもならなくなる人というのは、主張が激しい帰りたがる人だと思う。
今日、私が担当したユニットに、ずうっと、それこそ冗談抜きで間断なく帰りたい、帰ります、家に電話してください、と、主張し続ける人が居た。
なぜショートステイを利用しているかというと、夫婦二人で暮らしているのだけど、旦那さんが検査入院で不在の間、奥さんをショートステイで預かって欲しいということで利用してもらっている。
当然、そのことは夫婦で話が付いているはずなんだけど、奥さんはすっかりそのことを忘れているし、職員が何度説明しても聞いたそばから忘れるので、延々と同じ問答が繰り返される。
そもそも昨日泊まったことも忘れるくらいだから一週間まえからショートステイを利用していることも忘れている。どうにもならない。
しょうがないからその利用者さんの家に電話を入れて誰も出ないことを目の前で見せても、数秒も経たないうちに、もう帰ってきたかもしれないから電話して、と言うし、1分も経てば電話したことさえ忘れて、電話してと言ってるのに電話してくれない、と、言い出す。
他の方の介助をしようと思って移動をしたら後をついて来て、何で帰してくれないの、なにか企んでいるの、などと言い続けるから、他の方の介助の邪魔になる。
一応、今日の夕食後に帰るということなので、ほっと一息というところだが、今度は一週間という短期利用ではなく、長期利用で戻ってくるらしい。
おそらく旦那さんが長期で入院しなければならなくなったのか、それとも完全に認知状態の奥さんを支えて生活できる状況ではなくなったということだろう。
……利用者さんの要望をなるべく叶えるのが本来なんだろうけど、帰りたいという要望だけは叶えることができないんだよね。
利用者さんの家族さんの要望を優先しなくちゃいけない場面もあるんです。
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