まあ世の中には話が通じないというか、 まともな道理が通じないという人がいます。
認知症がひどい利用者さんと話が通じないのは普通のことですが、利用者さんの家族さんと話が通じないというか、まともな道理が通じないこともけっこうあります。
例えば、ある利用者さんは背骨の圧迫骨折でコルセットをしているのですが、当然、立ち座りで身体を動かすと、背骨や腰が痛む訳です。
その為に立ち上がりかけては座ったりという感じの状態です。
さて、そしてその利用者さんの家族さんが、その利用者さんがショートステイから自宅に帰る条件として、トイレまで一人で行けるようになれば、自宅に帰すことができますという訳です。
まあ確かにそうなんでしょうけど、もうかなりの高齢者で圧迫骨折もあり、さらにはけっこうひどい認知症もある方が、まともに一人でトイレに行ったり戻ったりできるようになると、どうして思えるんでしょうか?
うちの母親を介護していたときも、徐々に徐々に体力が弱って認知症も進んで、どんどん状態が悪化していくばかりでした。
もちろんなぜか調子がよい日も有るにはありましたが、その状態が長続きすることはありませんでした。
まだまだ世間は、介護施設に預けておけば状態はどんどん改善されると思っているんでしょうか?
さすがにそんなことは無いですよ。
介護サービスは、家族の介護負担を少しでも肩代わりするというもので、家族がしなければならない介護負担をまるごと肩代わりするものでは無いんですよね。
介護度を認定する場合でも、家族がどれだけ介護を実際にしているか、介護の負担がどれだけ重いか? ということが介護度を決める基準になっていることを知らないのでしょうか。知らないんでしょうね。
ある利用者が自宅で家族に介助してもらって、ベッドとトイレの間を移動しているという場合と、利用者自身が四つん這いで這ってトイレに行っている場合では介護度はどう判定されるのかというと、這って移動される利用者の介護度は低く認定されます。
そりゃあそうですよね。這って移動していたとしても、自分だけで移動できるなら、自立しているということで、「自立度が高い=介護度が低い」ですから。
話を戻すけど、むしろトイレまで一人で行けるようにする為につたい歩きとかできるようにしてくれと主張するよりも、自宅のベッド脇にポータブルトイレを置くから、それに慣れるようにしておいてくださいとか、そういうようにするべきじゃないかな?
……と、思ったり思わなかったり。
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